カレン・ブリュノン スペシャルインタビュー

インタビュー/寺尾恵


日本デビューアルバム
「私が奏でる愛の旋律」
4月5日 発売記念
BONZOURスペシャルインタビュー

ヴァイオリニストとして数々の有名アーティストと演奏し、満を持して自分自身の初アルバムを発表したカレン。待望の日本デビューに合わせて独占インタビュー!彼女の素顔を探ってきました!

 

——音楽を始めるきっかけは?
カレン:父はミュージシャンでクラリネットとドラムをやっていて、母は楽器店を経営。だからいつも音楽は身近なものとして存在していて、土曜日の午後にはよく母のお店でいろんな楽器をさわっていたわ。だからかなり早い時期から、大人になったら音楽の仕事につくのかな、と思っていたの。

 

——コンセルバトワール(公立音楽院)で5歳からヴァイオリンを始めたのですよね?
カレン:そうなの。5歳からはじめて、コレージュ(中学校)に上がる11歳の時には、親元を離れて地元のコンセルヴァトワールから、よりレベルの高いリヨンにあるコンセルバトワール・ナショナル・スーペリユール(リヨン国立高等音学院)に移ったの。

 

——フランスのコンセルヴァトワールはとても厳しいと聞いていますが。
カレン:そうね、とても厳しかったわ。練習、練習そして練習。でもそうして身に付いたテクニックが、今の私を助けてくれている。テクニックがあるから、表現したい事をそのまま表現できる、そう、私を自由にしてくれた。

 

——ミシェル・ルグランとの出会いは?
カレン:16歳の時にパリのコンセルヴァトワール・ナショナル・スーペリユール(パリ国立高等音学院)に進み、19歳の修了時に、コンクールで優勝。そしてヴァイオリンの先生に、ミッシェル・ルグランを紹介されたの。

 

——ミッシェル・ルグランから学んだ事は?
カレン:音楽的にとてもフィーリングが合ったのだと思う。ミッシェルは沢山ヴァイオリニストとしての経験をさせてくれ、いろんな出会いをくれた。そしてニューヨークのカーネギーホールでの演奏、日本での演奏を経てパリに帰ってきた時、音楽を仕事にしていきたいと確信したの。

 

——ヴァイオリニストとして活躍してきて、自身で曲を作ったり、歌うきっかけになったのは何ですか?
カレン:そのきっかけをくれたのは、今回のアルバムでも一緒だった、幼少の頃からの友人、アレンジャー、作曲・作詞家としても有名なミュージシャン、バンジャマン・ビオレ。彼のアルバム制作に参加した際に、曲づくりのすべてを横で見ていて、自分で曲を作りたいと思うようになったの。また、レイ・チャールズ、カロジェロ、カレン・アンなど、多くのアーティストのために演奏したり、コラボレーションしたり、グループの中で活動していく中で、自分のために曲を書きたいと思うようになったの。そして自分で歌をうたうことも。ヴァイオリンを演奏するのと、歌うことは、私にとって全く違う行為。歌う事は、気持ちを間接的に伝えるヴァイオリンと違い、もっと直接的で、自分をさらけ出すような作業。恥ずかしささえ覚えてはじめはとても難しかったわ。

——今回日本でリリースされるアルバム「私が奏でる愛の旋律」、フランス語タイトルは<La fille idéale/理想の女性>となっていますが、カレンさんにとって理想の女性とはどんな女性ですか?
カレン:今回のアルバムは、私の中でとても大切なものである「愛と女性らしさ」をテーマに制作、作曲も手がけた。そうね、La fille idéale/理想の女性….それは愛を感じながら、人生の中でいろんな経験をしてきた女性、人のために、家族にために何かができ、どんな困難にも立ち向かえる女性、そんな人が私にとっての<La fille idéal/理想の女性>かしら。

——カレンさんの曲を目を閉じて聴いていると、様々な風景が見えてくる、そんな気がします。
カレン:それはとっても嬉しいわ。まさに私がつくりたかったもの。聴く人がそれぞれに映画のようにいろんな風景をイメージしてくださればと思うわ。

——最後に、人生の途中で、自分探しをしている日本の女性たちにメッセージをお願いします。
カレン:私は幸運にもいろんなチャンスに巡り会えたと思う。ただ、情熱を持てる何かを見つけるには、常に気持ちをオープンにしておくことが大切ね。何でも「知らないから」と言って行動しないのはダメ。やり方を知らないことが失敗ではないの。それを恐れて始めないことこそ失敗なの。自分自身に寛容にならなくては何も変わらない。ヴァイオリニストの私にとって、曲を作る事も、歌をうたう事も、未知なる自分の発見だった。私も最初は難しかったのよ(笑)。
パリ マレ地区でのインタビュー。まっすぐにこちらを見て、ゆっくりと言葉を選びながら答えてくれたカレンは、大人の落ち着きとかわいらしさを合わせもつ、一児の母でもある素敵なパリジェンヌ。確かなテクニック、豊かな経験と表現力に裏打ちされた、奥深くも、雲のような軽さをも感じる彼女の音楽は、日本でのブレイクも間違いなし。Merci Karen!