ユニークな試みで南仏の新しいリゾートへ。

写真:mika inoüé コーディネート:田中敦子 取材・文:猫沢エミ 

ユニークな試みで南仏の新しいリゾートへ。

ここ数年、セットには都市部へ出て行った若い才能や、近隣の都市部やパリから新たな才能を持った人たちが集まりつつある。忙しい大都市での恵まれない住環境を捨て、海に近いこの地で心豊かに暮らし、そしてのびのびと仕事がしたいという当然の流れなのかもしれない。詩人をはじめ、多分野で活躍したジョルジュ・ブラッサンスを生み、数々の芸術家を惹き付けてきたセットは、もともとただの田舎街らしからぬ文化的な土壌があるように思う。そんなセットには今、ある意味パリにも負けないヒップなスポットが、続々と登場している。

 

LA DÉCORATRICE
ラ・デコラトリス(雑貨、カフェ、アートスペース)

13 rue Alsace Lorraine 34200 SÈTE
Tél:04.67.18.81.71
日曜定休 月/10 :00~16 :00 火〜土/9 :00~19 :00
ランチタイム/12 :00~14 :00  お菓子教室/10:30~12:00(8歳以上、参加可能)

 

家庭的なのに刺激的!夢のキッチン&サロンがそのままお店に。

店のオーナー、キャロルは、同じ地域圏だけれどラングドックよりも南にあるルシヨン生まれ。もともと美術史を学び、アートに造詣が深かった。「好きなアーティストの作品や雑貨を扱うお店がやりたかったの。それで縁あって、セットに店を開いたわけなんだけど、パートナーや娘が自由に出入りして、まるでここはもうひとつの家みたいね。キッチンでお菓子を作りながら娘の宿題を見てやったり。笑」店に入ると、まるで少女時代の夢がそのまま形になったかのような、色とりどりの服や雑貨が。そして奥へ進むと、アートスペースとしても活躍するカフェにオープンなキッチン。母とひとりの女性を両立するキャロルらしい素敵な空間。

(写真下)セットのアーティストMariette Jonbazの作る、アンティーク生地を使ったかわいいタオル。Petite(13€) Grande(24€)
(写真右下)マルセイユにアトリエを持つデザイナー、ステファニー&フレデリックのブランド’Zoé la fée’のアイテムも多く取り扱っている。(左から)キッズワンピース(62€)ワンピース(85€)バッグ(80€)
(写真下)セットのアーティストChristopher Dombresのシルクスクリーン・ポスター。(20€)セット観光局もプッシュする、旬な作品。
(写真上)13歳になる娘のスゾンちゃんとキャロル。カフェやケーキの他、季節のビオ野菜を使ったスープやグラタン、パスタなど軽くておいしいメニューが揃う。子供と一緒に参加できるお菓子教室も週に3回開催しているので、気軽に参加してみて。
(写真右)「あー、ちょっとひとやすみ…」編集長も取材の合間にくつろぎました。
(写真上)Tarte aux jambon-ハムのタルト。お昼はワンプレートで、こうしたメイン
にたっぷりのお野菜を盛って8€。(写真右)自家製ケーキは3.50€から。

 

 


BONZOUR JAPON Nº 23 [ 南仏の小さな宝石、セットへ ] より

*取材データは最新のものですが、ここで紹介される品物の値段、および各店舗の営業時間・定休日は急に変更されることがあります。また、文章は取材当時のものを使用していますことをあらかじめご了承ください。