その噂のカンティーヌ（食堂）は、Les Halles de SÈTEの奥に手作りの掘建て小屋みたいな楽しさで営業していた。黒板に手書きで書かれた今日のメニューを見ると、どれも獲れたてぴちぴちの旬の魚介類がずらり。快活にサーヴィスを担当するマリリンにそのことを話すと「そりゃそーよ！私たちに冷蔵庫なんか必要ないもの。数十メートル先のスタンドから魚は使いたい放題やってくるのよ。」と笑った。そりゃそーか（笑）。しかしキッチンに目をやると、シェフらしき人は、やはり若い女の子ひとり。ところがその動きを見てぴんときた。これはただ者じゃない…。そして運ばれてきた料理を口にしてびっくり。素材を生かしきった、まったくブレのない味の数々。思わず「あなたの料理、めちゃくちゃ美味しい！」と駆け寄ると、若きシェフのキャロル・アモノーは、「実は、結構有名なレストランを渡り歩いてきたの。」と、かわいく照れた。難しいうんちくなんか、どこかへ飛んでいってしまう本当に美味しい地元の料理が食べたかったら、迷わずここへきて。

Friture de petits rouges – 小さなヒメジのフリット9€。