マレ地区でおなかが空いたら、やっぱり

写真/新村真里  取材・文/猫沢エミ

 Chez Marianne
シェ・マリアンヌ
2 rue des Hospitalières Saint Gervais 75004 Paris
Tél : 01.43.72.18.86
Métro : 1番線 St-Paul
定休日なし 12:00~0:00

マレと言えば、やっぱりファラフェル!

ファラフェルは、ひよこ豆のコロッケと茄子のマリネなどをピタパンに挟んで食べる、中近東スタイルのサンドウィッチ。Le Marais-ル・マレ/沼地、を意味するフランス語がこの地区名の由来だが、パリがまだ古名《Lutèce—リュテス》と呼ばれていたローマ時代には、文字通り沼の多い湿地帯だった。1240年、テンプル騎士団がマレの北側にある教会を要塞化したところから、この地区の開発が本格化する。現在では、パリ随一のショッピングエリアとして栄えるマレは、ゲイやレズビアンの人々が多く住むジェンダー・フリーな街である一方、19世紀頃から東欧系ユダヤ人が多く移り住み、商業地として活気をもたらしてきた。そんな歴史的な背景もあって、このあたりにはファラフェルを代表とするユダヤ料理のお店が軒を連ねる。中でも、このシェ・マリアンヌのファラフェルは初心者にも食べやすいサイズで、とびきりのおいしさ!店内でゆっくり頂くのもよし、ショッピングの合間にテイクアウトして食べながら街を散策するもよし。意外と早仕舞いの店が多いパリで、定休日なしの深夜0時まで営業というところもナイス。知っておくと便利なアドレス。
(写真右)ファラフェルは意外と具沢山なので、上手に食べるのに自信がない…という方は、ぜひ店内でゆっくりどうぞ。
Falafel Traditionnel-ファラフェル・トラディショネルはテイクアウトで5€〜。

 

Sacha Finkelsztajn
サーシャ・フィンケルシュタイン
27 rue des Rosiers 75004 Paris
Tél : 01.42.72.78.91
Métro : 1番線 St-Paul
火曜定休 10:00~19:00

地元のユダヤ人たちに愛される、本場の味
1946年から‘黄色の家’という愛称で、地元のユダヤ人はもとより、パリ市民にも愛されているユダヤ料理のお惣菜店。日本人にも馴染み深いベーグルや、タラマなど、どれをとってもほっぺの落ちるおいしさ。ユダヤ料理に馴染みがない方でも、なぜか日本味にも通じる不思議な親近感を持つこと間違いなし。店内で食べることもできるので、少しずつあれこれ試してみてからお持ち帰りする品を決めるのも楽しい。
お勧めは、まったりとしたユダヤスタイルのチーズケーキ、Vanille classique-ヴァニーユ・クラシック3.20€(写真左)や、レモン風味の聞いたTarama nature-タラマ・ナチュール46€/㎏(写真右)。タラマには、ぜひ絶品のBlinis-ブリニ 1€を添えて。三角形のカレー風味さくさくミートパイ、Sambos-サンボス 3€も美味!

BONZOUR JAPON Nº 12 [パリのヴィラージュ・サン・ポールで雑貨を探す] より

*取材データは最新のものですが、ここで紹介される品物の値段、および各店舗の営業時間・定休日は急に変更されることがあります。また、文章は取材当時のものを使用していますことをあらかじめご了承ください。