歴史ある建物で頂く、極上のブション料理

コーディネート/田中敦子, 写真/Mika Inoué, 取材・文/猫沢エミ

Café Comptoir Abel
カフェ・コントワール・アベル(ブション)

25 rue Guynemer 69002 Lyon
Tél:04.78.37.46.18
無休 12:00~14:00 / 18:30~22:00(金、土のディナーは22:30まで)
Métro: A線 Ampére‐Victor Hugo
http://cafecomptoirabel.com

 

歴史ある建物で頂く、極上のブション料理

ソーヌ川沿いを、ひとつ内側の通りに入った静かなロケーションにあるコントワール・アベルは、古い歴史に彩られた建物を持つ。1777年、ここからほど近いエナイ大聖堂が建てられた。同じ頃、街を囲む砦の入り口として作られたのが、アベルの左手にある丸いアーチ天上を持つ、エナイの門だ。砦に密着するように佇む建物は、その後、数々の歴史を経て1928年よりレストランとして営業を始める。1Fは、開業当時の面影をそのまま保存したという温かみのある、古き良きフランスそのものの風情。その奥にも、クラシックなもうひとつの部屋がある。2Fは、バラのペインティングに飾られた入り口(写真右)と同じく、バラの刺繍が施されたリヨン産の飾り布が美しい大ホール。基本はパーティー用だが、予約時に2F席をリクエストすれば、ここでの食事も可能。料理は、地元の食材を使ったローヌ・アルプの伝統的な地方料理が楽しめる。どれを食べても外れのない、地元の人たち推薦の、おいしいおいしいブション。


これがリヨン料理の代名詞ともいえるQuenelle de brochet en gratin maison-川カマスのクネル自家製グラタン 18ユーロ 川魚のすり身で作られるクネル。正直ここで食べるまであまり好きではなかった編集長も、しっとりしたケーキのような触感にノックアウト!出てきたらとにかく即座に食べること。でないとあっという間にしぼんでしまいます。かなり大きいので、一皿をふたりで分けるのが得策。

(写真上)Entrée(前菜)のSalade d’écrevisses et pamplemousse-グレープフルーツとザリガニのサラダ 16€。たかがサラダとあなどることなかれ!食の王国リヨンでは、野菜ひとつぶまでが宝石のような輝きとおいしさ。ザリガニと言うと「エッ?!」と思うかもしれませんが、日本のザリガニとは別物のぷりぷりした小さな海老がこれまた美味。  

 

(写真下)デザートにお勧めなのが、Sorbet au marron& chocolat chaud-栗のシャーベット、熱々ショコラがけ8€。使用しているショコラは、近所のショコラティエ‘Barry’のもの。ほっぺが落ちます。

 


BONZOUR JAPON Nº 19 [古都・リヨンを巡る旅 後編] より

*取材データは最新のものですが、ここで紹介される品物の値段、および各店舗の営業時間・定休日は急に変更されることがあります。また、文章は取材当時のものを使用していますことをあらかじめご了承ください。